★★
「じゃあソニック、豪を頼むよ」
『レッツ、ダメだよ!一人で戦うなんて無茶だよ!』
「僕が戦わなければ、誰が豪を守るんだ」
『レッツ…』
「じゃ、行くね」
『レ…烈!!』
そう言ってレッツは、また戦いに戻っていった。
ボクの隣りには、先ほど敵にやられて気を失っている
レッツもとい烈の弟、豪が寝転んでいる。
ここからだと見えないけど、レッツと敵の戦いが激しいことは空気で感じられる。
『どうしよう…このままだとレッツが死んじゃう…!』
今回の敵は今までの敵とはレベルが違う。
いくらレッツでも勝てる可能性はかなり低い。
『レッツ…烈…』
「うわぁあ!」
レッツの叫び声と共に大きな爆音が聞こえた。
天井から砂や埃が舞い落ちる。
『レッツ!!』
誰か、誰かレッツを助けて…!
レッツが死んじゃうよ…!
『こんな時マグナムが居てくれたら…
マグナム…どこに居るの?ねぇ応えてよ、マグナム…!!』
"ちゃららら~ん、かもーん!"
『へ?』
聞き覚えのある着メロ。
でも豪に預けられた烈の携帯からではなかった。
そして「ぽん!」と音がしたと思ったら、今度は声が聞こえてきた。
『やっと出られたー…
ってせま!!何だここ!!ちょ出られねぇ!!』
しばらくすると、豪のズボンのポケットから見慣れた顔が現れた。
『…マグナム?』
『ん?』
それは紛れもなく、マグナムだった。
一緒に未来から過去に来た大切な仲間…ううん、家族みたいな存在。
『マグナム!良かった!
無事だったんだね!ずっと心配してたんだから!』
『ソニック!お前も元気そうだな!
って感動の再会を喜んでいる場合じゃなさそうだな』
状況を素早く理解したマグナムに、ソニックは今までの経緯を簡単に話した。
『…ふぅん、なるほどね』
『だから早くレッツを助けないと…!』
『よし!オレに任せろ!』
『えっ、任せろって』
『忘れたのか?お前にレッツがいるように、
オレにも相棒がいるんだぜ?』
『どこに?』
『ここに』
そう言ってマグナムが指を差したのは、何と豪だった。
『えええぇ!ホントなの!?』
まさに目から鱗な展開。
『コイツの携帯からオレが出てきたのが、何よりの証拠だろ?』
『全然気付かなかった…』
『コイツ、オレが何度話し掛けても
全く気付かなかったんだぜ!腹立つよなー!』
『あはは…』
『お陰でソニックが近くに居るのにずっと話せなくてさ…』
『マグナム…』
そう。
ボクたちは持ち主に認識してもらって初めて、
外界との繋がりを持つことができる。
認識してもらえない間は、持ち主以外と会話できないし、
存在すら気付いてもらえないんだ。
『でもどうして持ち主に認識されてないのに、携帯から出られたの?』
『ん?ああ、今コイツの中で気持ちに変化が出てきてて、
不安定になってるんだ。そこにソニックの呼び声が聞こえて、
思い切って出てみたら出られたってワケ』
『変化?』
『おう。大切な人を守りたい、そのために力が欲しいって強く想い始めてる』
『それって…』
『恐らくレッツ…烈のことだろうな。
自分のために必死に戦ってる姿を見て、そう想うようになったんだろ』
『…そっか』
『つーわけで、起きやがれヘッポコ主!』そう言ってマグナムは豪の頭を思いっきり蹴った。
「いってぇ!!」
『やっと起きやがったか、このヘッポコ主!』
「な、何だお前?つーかヘッポコ言うな!」
目の前でギャーギャーわめく小さい人間に、豪は思わず食いかかる。
『ヘッポコはヘッポコだろ!
大切な人一人守れてねーじゃん!』
「うっ、うるせー!お前にオレの何が分かるんだよ!
オレが、オレが今までどんな想いをしてきたか…!」苦々しい顔で豪は呟くように言った。
『そんなの知らねーし、興味ねーよ。でもお前の力にはなれるぜ!』
「え…」
顔を上げて、初めてマグナムを真っ直ぐ見つめた豪。
マグナムもそんな豪を見つめ返す。お互いに認識し合った瞬間だった。
『だから、お前に大切な人を守る力を与えてやるって言ってるんだよ』
「ほ、ホントか…?」
『おう。ただしお前の心次第だけどな』
「どういう意味だよ?」
『今から与える力はハンパなく強い。
強すぎて逆にお前を飲み込む可能性だってある。
それでも構わない、そんな力をねじ伏せられるぐらい
守りたいという強い想いがあるっていうなら、力をくれてやる』
「強い想い…」
『大切な人を守りたいと心から強く想う?』
「…想う」
『絶対?』
「絶対」
『何がなんでも?』
「何がなんでも!」
『自分の命に変えても?』
「自分の命に変えても!ぜってー守る!」
さっきまで情けなかった豪の顔が、みるみるうちに自信で溢れ、
青い瞳には強い輝きが戻った。
そんな豪を見てマグナムも納得したらしく、ニカッと笑顔を見せた。
『よし、お前に力を与えてやる!コレ付けな!』そう言ってマグナムは豪に何かを投げた。
「おわっ何!?」
それは、配色が青と黒の大型のヘッドフォンだった。
『さあ、ソレを付けて魔法少年★ゴーに変身だぜ!』
「え、変身?」
つーか、今何て言った?魔法少年?
え、意味が分からないんですけど?
意味が分からないまま魔法少年★ゴーへと変身した豪は
やけにノリノリなマグナムと共にレッツの元へ向かうのであった…―
to be continued...?
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以上です。お疲れ様でした&お粗末様でした!!(逃走)
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